障がい児割引 地下鉄の切符買うのが大変!!

一.障がい児割引運賃が使いづらい

福岡市営地下鉄には、ほかの多くの電車と同様に障がい者割引制度があり、障がい児の場合、子ども料金(半額)×障かい者割引(半額)=運賃の4分の1になります。例えば、大人料金が400円ならば100円になると決めてあります。ところが、実際にはとても使いづらくて困っています。

不便さ1.発券機に障がい児割引のボタンがない

 天神駅の乗車券販売機の写真です。左に切符のボタンが並んでおり、一番下に「割引」ボタン、そこに「障がい者手帳・療育手帳を所持するお客さま」のシールあり。障がいのある成人の方が買うときは一番下の「割引」ボタンを押すだけでOK。割引切符が出てきます。では、障がいのある子どもの場合はどのボタンを押したらよいでしょうか?どうなるでしょうか?

 答え。まず「こども」ボタンを押して、次に障がい者「割引」ボタンを押す。すると切符が出て・・・・こない!

ガチャンと窓があいて駅員さんが顔を出します。「どうしました?」

手帳を確認して駅員さんが切符を手動で発券してくれます。販売機の裏のほうでボタンを押されて、さあ、やっと切符が出・・・・てこない!

 この写真を撮った日は何度も操作を失敗されて、開始から4分ぐらいかかってようやく買えました。これは珍しい話ではなく、大概操作に慣れておられず長く待たされます。裏に手順書を貼っておいてくださるだけで、きっと大きく改善できるのに。

 発券機についての設備面(ハード)の問題を指摘しましたが、このような発券の仕方には人権上の問題もあります。自動発券機の壁が開いて駅員さんが顔を出すということは、通常見ない光景です。まわりの人はなんだろうとこちらを見ます。大勢の人が不思議そうに眺めているなかで、障がい者手帳の提示を求められ、その上、駅員さんが操作を間違って何度もピンポンと音が鳴っては、注目をあび、悪いことをしているわけではないのですが、恥ずかしくその場から早く立ち去りたくなります。

 障がいのある成人のかたに毎回手帳の提示を求めていないのは、そのあたりの配慮があるからと思います。障がいをもつ子どもに対しても同様の配慮をすることは当然だと考えてほしいです。

不便さ2.障がい児用のICカードがない(私営の西鉄電車にはあるのに)

 私も地下鉄に乗る際にはICカード(はやかけん・ニモカなど)を利用しています。事前にお金をチャージしておけば、券を買う手間が省けるのでとても便利です。障がいのある子どもたちもICカードがあれば格段に乗りやすくなります。例えば、知的障害でお金の勘定が苦手でも乗れます。ところが、障がい児用のICカードはありません(成人の障がい者用だけあります)。一般の子ども用ICカードもあります。

不便さ3.福祉乗車券の利用は保護者の収入で判断(世帯所得200万円未満に限る)

ちなみに、福祉乗車券という制度もあります。いくつか種類があり、「福祉乗車証」をもらえば地下鉄の料金が無料になります。18歳以上の場合、本人の所得が200万円未満だと交付されます。子どもの場合は、その世帯の所得の合計が200万未満という条件になりますから、多くの世帯で対象となりません。

※JRについても同様に、自動発券機で障がい児割引の切符を買うことができず、みどりの窓口で購入するように言われました。混雑しているときは長い行列ができていて、そこに障がいのある子どもを連れて長時間並んで切符を買うのはとても大変です。

 西鉄電車については、障がい児用のICカードがあるそうです。とても助かります。

二.浜崎太郎議員が議会質問

以上のように、地下鉄の障がい児割引が使いづらいため、とても困っています。例えば、学校の校外授業で移動する際、何人もの子どもの切符を駅員さんが操作して出すため、とても時間がかかります。家族で利用するときにも、急ぐときは通常の子ども料金の切符を買います。

 1回につきたかが50~100円の話ではありますが、私たちだって1回50円を節約するために定期券を買ったりしますよね。そして、今回の問題は、制度として決められている料金を容易に利用できない状態にあるのですから、大問題だと思います。

 この問題を解決するために、私たちは浜崎太郎福岡市議会議員に相談をしました。そして、令和2年10月7日に開催された福岡市議会の決算特別委員会で、浜崎太郎議員がこの問題について質問してくださいました。詳細は福岡市議会HPの「議会中継」の項から動画でご覧いただけます。

https://smart.discussvision.net/smart/tenant/fukuoka/WebView/rd/schedule.html?year=2020&council_id=19&schedule_id=5

 浜崎先生、ありがとうございました。浜崎太郎議員と福岡市交通局長とのやりとりのダイジェストを以下に紹介します。

(障がい者割引の現状)

浜崎議員:市営地下鉄における障がい者への交通費割引の内容と、令和元年度の決算金額は?

交通事業管理者(以下、交通局と記載):身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者等の方々を対象としまして、企画乗車券等を除き、乗車料金を5割引きとしている。令和元年度決算における障がい者割引での料金の収入額は、約2億3,400万円。

浜崎議員:市営地下鉄で、割引を受けるときの手順をお尋ねいたします。

交通局:割引乗車券を購入して頂く方法と、ICカード割引はやかけんを購入して頂く方法がある。割引乗車券は利用の都度、各駅の券売機で購入して頂くが、この際の障がい者手帳の提示については必要に応じて求めるという運用をしている。割引はやかけんは、あらかじめ駅窓口や定期券売り場で障害者手帳を提示して購入の上ご利用いただく。

対象者が小児の障がい児の場合は、割引はやかけんによる方法はないので、割引乗車券を購入する方法のみとなっている。この場合は、利用の際に駅の係員が障がい者手帳や行き先を確認し、券売機の操作を行って割引乗車券の販売をおこなっている。

(障がい児用のはやかけんの発行をできないのか)

浜崎議員:先日私にメールがきた。障がいがある子の親御さんから、「いつも子どもの割引切符を買うときに、そのつど時間がかかる。障がいがある子用のはやかけんの制度がないからなのだが、まず、駅員を販売機の呼び出しボタンで呼んで、障がい者手帳を見せ、行き先を伝え、支払い切符を買う。手間がかなりかかる。この時点で電車が2,3本過ぎていくとのこと。さて、障がい児用のはやかけんが発行できないものでしょうか。西鉄さんには、専用のカードがあるらしいです。お尋ねいたします。

交通局:導入にあたっては、システム改修等に多額の経費を要することなどから、現時点では導入は難しいものと考えている。

 全国で相互利用を行っている10種の交通系ICカードの状況で申し上げると、障がい者用の割引ICカードは、事業者間で割引制度が異なるため、相互利用ができないカードになってしまうという事情もあって、割引ICカードを導入しているのは、割引はやかけんを含めて4種にとどまっている。そのうち障がい児用割引ICカードを導入しているのは、ご指摘があった西鉄のカード1種のみで、全国的にもなかなか導入に踏み切れていない状況にある。

しかしながら、障がい児が地下鉄を利用する際の負担軽減を図ることは、大変重要な課題であると考えている。議員のご意見もふまえ、代替策も含めて、引き続き検討してまいりたい。

(障がい者が生きやすい社会をめざそう)

浜崎議員:お聞きしますと、小児の切符は年間約5000枚ほど発行されているそうです。1日に換算すると約14枚、往復したら約7人がご利用されたことになります。少ないかどうか基準がないのですが、障がいがあるから余計に時間がかかる。足に障がいがあり歩く速度が健常者より遅いので時間がかかるというのと今回のことは違う。成人の障がい者については、しっかりとカバーされていますので、子どもについては、割引制度をプログラミングするときにたまたま忘れられたと思いたいぐらい。これは、差別禁止条例の本当の意味はここにあるんじゃないかと私は思っています。対象が少数かもしれませんが、彼らが生きやすいような社会で、みんなで支え合う検討が少しでも早くすすむことをお願いします。

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